心理セラピー/ゆうる~む

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2023-03-21愛着とは

お知らせ

愛とはあるがままの存在そのものを認め慈しみ、心から大切と思う気持ち。
愛の反対語は無関心。無垢で生まれた赤ん坊は、愛を受け取りながら成長します。
自分自身に関心を持つことは、自分自身を愛し、その愛を受け取ることでもあります。

愛着について

愛着理論の提唱者であるジョン・ボウルビィは『愛着とは、子どもが特定の他者に対して持つ情愛的な絆のこと』であり、生後1年半位までの間に特別な情緒的結びつきが形成され、それが愛着の基礎となり、その後の成長にも大きく影響すると伝えています。愛着形成時の特別な結びつきを持つ人を【愛着対象者】と表現しています。

人は生まれる前の胎児の時から愛について学んでいると言います。
人生で一番最初に自分を守ってくれる人との間に結ばれる関係が【愛着の基礎】となり【愛着対象者】との間の学びが、その後の人生における対人関係の基礎となります。

 

【胎児期】胎児は母親と一心同体で生きています。

その生命は、すべてが母親に委ねられていたところからスタートしています。

※出生時の設定は欲求の前段階「私は大切にされて当然、喜ばれて当然、やってもらえて当然、守ってもらえて当然、ほめられて当然…」という状態と言われています。

当然と思っているので、泣くことで対応を求めれば叶う、という自己中心的な王様、お姫様の状態なのだとか。母親のお腹の羊水の海は、それほどに居心地の良い場所なのかもしれません。

※妊娠・分娩によりお母さんの母体には、ハッピーホルモンと呼ばれるオキシトシンを大量に放出され、母子ともに出産の苦痛を和らげられていることが分かっています。

抱っこやスキンシップの効果

子供の不安な気持ちの解消するための、最も効果的な方法といえるのが、抱っこやスキンシップです。ストレスを感じたり急に不安になったりした時に、ママに抱っこしてもらうと、子供は「安心する」「気持ちいい」と感じることで、ストレスや不安が取り除かれます。

さらに、抱っこやスキンシップには、「抱擁ホルモン」や「幸せホルモン」としても知られる、オキシトシンの分泌にも効果があることが、広く知られています。安心してよく眠れる子は、脳の発育にもよい影響があると思われます。

肌と肌が触れ合うことで、オキシトシンの分泌が促されと、多幸感が得られるほか、不安やストレスの緩和にもつながることから、ぐずっている時やご機嫌が斜めの時などに、ぎゅっと抱っこしてあげるだけでも、子供の気持ちが落ち着きます。

これは子供に限らず、大人にも同じような作用があります。日本人はハグが苦手ですが、傷口に手を当てるだけで痛みが和ぐように、人との触れ合いがもたらす効果は大きいです。お互いの手や足をマッサージしたり、背中をさすり合うだけでも、オキシトシンの効果はあります。機械のマッサージと人の手によるマッサージの違いもここにあります。

愛着形成のしくみ

【自他未分化期】産まれたばかりの赤ちゃんは養育者に抱っこしてもらい、おっぱいを飲ませてもらい、養育者と一体化した状態で自他の区別がないといいます。
生後間もない赤ちゃんは、2時間おきに泣いては自身が感じる整理的欲求を訴えます。

※生理的欲求は、命に直結する最も重要な欲求です。この時期に様々な事情で欲求が満たされなかった場合のストレスは、潜在意識の中に命の危険として小さなシコリを残します。度重なるとそのシコリはどんどん大きくなり、常に命の心配をしなくてはいけない土台が出来てしまう可能性があり、脳の発達にも影響すると言われています。愛されて当然との思いは抑圧され、愛されたい、見捨てられたらどうしようという不安を伴う不安定な欲求を纏った愛着の形成へと進んでしまいます。

【共感期】五感を通して脳はどんどん発達していきます。養育者との安心感を伴う共感や褒め言葉、笑顔のやり取りが、ハッピーホルモンの分泌を活発にし、愛着関係が育まれていきます。赤ちゃんと養育者との共感力の相性や強弱が情緒面の発達に影響を与えていると考えられます。

【自他分化期】養育者との間に愛着の絆ができると、見知らぬ人と養育者とを区別するようになり、養育者以外の人に不安を覚え、養育者に安心を覚えるようになる。自分にとって特別大切な存在であるという意識が育っています。これが人見知りです。

【後追い期】養育者に急にまとわりつくようになり、後追いが始まる。自分の欲求を示し、相手の反応を学ぶ時期に当たります。様々な試行錯誤で養育者との関係性を築いていきます。

【移行対象期】赤ちゃんは、言葉によって養育者に甘えることが可能になります。養育者の膝を基地にして、次第に行動範囲を広げていき、移行対象が養育者代わりとなって養育者がいなくても大丈夫になっていきます。この時期に、何があっても自分には戻れる安全な場所があるという安心感が、絶対的自己肯定感の基礎になります。

 

※たとえ不安定な愛着でも子供は必死に生きるためのバランスを取ろうと努力しながら成長していきます。

愛着障がい

様々な理由で早くに母親から離されたり、愛着対象者との絆が途切れてしまう場合があります。家族や家庭の環境によっても対応は様々で、個々の特性と合わさり、愛着も一人ひとり違うスタイルを持つようになります。
安定した愛着の持ち主は約3割であると言われています。

特に親がDVや虐待の経験者だったり、子供に興味を持てないネグレクト、強いトラウマや依存、過干渉なども、愛着の形成に甚大な影響を与えることがわかっています。

愛着には大きく4つのタイプに分類されることが知られています。【4つの愛着スタイル】☜

どんなに大切に育てられたとしても、様々な状況により多少の歪みや課題は生じるものです。
いたわり合う親子であっても相性の良し悪しもあります。更に持って生まれた特性の違いがあります。

学校や社会でのいじめや差別経験などの経験で、後天的に愛着に傷や歪みを生じた場合、備えなく受けた外傷となり、また少し違うダメージとなります。

幼児期にはっきり愛着障がいと愛診断されるケースは、脳や身体の発育に問題が生じ行動にも様々な障がいが見られる場合であり、早い段階で適切な医療や養育環境が必要となります。

障がいとはいえない【不安定な愛着】が生き方に大きく影響している方々が愛着セラピーの対象者となります。

自力での改善が難しい一番の要因は、どの時期のどのような体験や経験が不安の要因であるかを自覚することがとても難しいことにあります。
そして変化を恐れる潜在意識期は生存を妨げる要因(不安や恐怖)を排除することをに尽力します。
潜在意識に自動的に働く危機管理システムが、様々な行動抑制を引き起こし不具合を生じさせます。
大人であれば必要のない乳幼児期の不安や恐れが、その後の経験の積み重ねで膨らみ、生きづらさとなって現れている、これが大人の愛着障がいの一番の要因です。


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